#017

 
2010年1月、福岡市の宗教法人「新健康協会総本部」の職員が長男を死亡させた殺人容疑で逮捕され、同2月、保護責任者遺棄致死罪で起訴された件。
http://d.hatena.ne.jp/cometori/20100218/1266509521
 
手遅れになる前になぜ受診しなかったのか、とくに運営側は受診を適切に勧めるべきであったという批判は、世界救世教系列の他宗派の運営者から・他の信仰者からも出ておかしくない。*1
この件は、系列宗派の活動全般からみれば特異な例であると捉えられているだろう。
 
この件はけして特異な例ではなく、世界救世教系列の宗派に共通する、最深の問題点を明らかにしている。
 
#014の「できるかぎり身体に負荷を掛けない様態で排出されることが望ましい」、#016の「皮膚の疾患 - 緊急性が低い、本人の苦痛が軽度であると判断された症状については、教義を優先する」この二点から何が起きるか。私が居た宗派では、皮膚の疾患は、痒みはあるが痛みはなく、生命に危険を及ぼすことはまずない、もっとも「望ましい排出の様態」として捉えられており、医療に掛ることが最後まで拒否されやすい。
とくにアトピー性皮膚炎は、膿が出るその症状が「排出の作用」を体現しているように(信仰者には)見えることと、私が居た時代の前後にステロイド剤の副作用がさかんに取り沙汰されたこともあって、布教師であっても手かざしの実践で治癒できる・治癒するべきと信じている症例であるはず。
誰にヒアリングしたわけでもないが、この点については当事者からの明確な反論がないかぎり、私の認識は誤っていないと記述する。
 
福岡市の事件は、私には他人事ではない。
叶うならば、関係宗派の運営に携わるかたがたにおかれましては、この件を「特異な例」で済ませずに、よくよく顧みてくださることを願います。

*1:実際、そのように言及されていたサイトがあった。後日、別の意図で言及する予定。